こんにちは、消化器内科医のコツコツDr.Gです。
2026年9月1日の10年国債入札で、募入最高利回りが3.011%、平均利回りが2.995%となりました。この記事の「3%超え」は、この入札結果を指します。
住宅購入や資産形成を考える20〜30代の医師にとって、金利上昇は他人事ではありません。住宅ローン、現金・国債、株式投資、借入の4点に分けて、今後の考え方を整理します。
先に結論
長期金利3%は「今すぐ株を売る」合図ではありません。借入コストと安全資産の利回りが上がる局面では、使う時期に応じて資金の置き場所を分け、住宅ローンなどの負債を大きくしすぎないことが重要です。
目次
そもそも「長期金利3%」とは?
一般にニュースでいう長期金利は、10年物国債の利回りを指します。国債の価格が下がると利回りは上がり、価格が上がると利回りは下がります。
財務省の2026年9月1日の10年国債入札結果は、表面利率2.7%、募入最高利回り3.011%、募入平均利回り2.995%でした。
ただし、これは「預金や個人向け国債で誰でも3%を受け取れる」という意味ではありません。市場で売買される国債、窓口販売の国債、個人向け国債は条件が異なります。
個人向け国債は1.95%
同入札で示された2.96%は、個人向け国債「変動10年」の基準金利です。適用利率は「基準金利×0.66」で、2026年9月募集の第198回債は年1.95%(税引前)です。
なぜ金利が上がるのか
長期金利は、将来の物価や景気、金融政策の見通し、国債の需給、海外金利などを織り込みながら市場で動きます。今回の上昇を一つの原因だけで説明することはできません。
- インフレが続くとの見方
- 日本銀行の追加利上げを意識した動き
- 国債の発行量や財政運営への見方
- 海外の長期金利や為替の変化
少なくとも、「日本はずっと超低金利」という前提だけで長期の借入や資産配分を決めるのは難しくなっています。
若手医師への4つの影響
① 住宅ローンは今まで以上に慎重に
長期金利が上がると、全期間固定型住宅ローンには上昇圧力がかかります。住宅金融支援機構も、全期間固定型は10年国債利回りの影響を受けると説明しています。一方、変動型は主に政策金利の影響を受け、固定型と同じタイミングで動くとは限りません。
1億円を借りる場合、金利差1%は単純計算で当初1年間の利息約100万円分です。実際の返済額は返済期間、元利均等・元金均等、手数料、優遇幅などで変わりますが、借入額が大きいほど金利差の影響も大きくなります。
「銀行が貸してくれる額」と「無理なく返せる額」は別です。現在の金利だけでなく、適用金利が1〜2%上がった場合も試算し、当直減少、育休、開業準備、教育費などの収入・支出変化を重ねて確認しましょう。
② 現金・安全資産の役割が大きくなる
預金や国債などの利回りが上がれば、短期で使う資金を無理に株式へ回す必要は下がります。2026年9月募集の個人向け国債「変動10年」は年1.95%(税引前)です。半年ごとに利率が変わり、原則として発行後1年から中途換金できますが、直前2回分の利子相当額が差し引かれます。
なお、現金や国債にもインフレで実質価値が減るリスクがあります。安全資産は「必ずもうかる資産」ではなく、価格変動を抑え、近い将来の支出に備える置き場所として考えます。
③ 長期の株式投資をやめる必要はない
国債利回りが上がっても、老後まで20〜30年使わない資金まで株式から移す必要があるとは限りません。20〜30代の強みは投資期間の長さです。世界経済の成長を取り込む株式インデックスを長期保有する考え方は、引き続き選択肢になります。
ただし、株式は元本保証ではありません。「現金ゼロで余剰資金はすべて株式」のような極端な配分ではなく、生活防衛資金と数年以内の支出を先に分けることが大切です。
④ 医師こそレバレッジのかけすぎに注意
医師は比較的収入が安定し、住宅ローン、不動産投資、自動車ローン、株式投資を同時に進めやすい職業です。低金利時代には借入が資産形成を加速させましたが、金利が上がれば借金のコストも上がります。
年収が高いから金利上昇に強いとは限りません。借入額が大きいほど影響額も大きくなるため、資産だけでなく負債総額、金利タイプ、返済期限を一覧にしましょう。
若手医師が今やること
① 使う時期でお金を分ける
一律の正解はありませんが、まずは資金の使用時期を分けると判断しやすくなります。
| 使う時期 | 主な目的 | 置き場所の例 |
|---|---|---|
| すぐ〜1年 | 生活防衛資金、税金、引っ越し | 普通預金・決済用預金など流動性の高い資産 |
| 数年以内 | 住宅購入、結婚、出産、教育費 | 預金・個人向け国債など価格変動を抑えた資産 |
| 20年以上先 | 老後など長期の資産形成 | NISAを含む長期・分散投資など |
② 住宅ローンを金利上昇込みで再計算する
これから借りる人は、現在の提示金利だけでなく、1%・2%上昇時の返済額を確認します。すでに変動型で借りている人も、適用金利、返済額の見直し時期、5年ルール・125%ルールの有無を契約書で確認してください。これらのルールはすべての金融機関・商品にあるわけではありません。
③ 負債を一枚にまとめる
住宅、不動産、自動車などの残高、金利、固定・変動、返済期限を一覧にします。複数の借入を合計した年間返済額が、手取り収入や生活費に対して無理のない範囲かを確認します。
④ 長期投資は方針を決めて継続する
短期の金利変動だけを理由に積立を止めず、資産配分とリスク許容度を定期的に見直します。NISAは非課税制度であり、運用益を保証する制度ではありません。
まとめ
長期金利3%超えは、「今すぐ株を売る」ニュースではありません。重要なのは、日本でも借入コストを無視できず、安全資産にも利回りが戻る局面になったことです。
若手医師は、株式を買うかどうかだけでなく、いつ使うお金かを決めて置き場所を分ける。住宅ローンは借りられる額ではなく返せる額にする。資産と負債を同時に管理する。この3点を徹底しましょう。
コツコツDr.G
ご注意
本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の金融商品・住宅ローンの勧誘や個別の投資助言ではありません。金利や募集条件は変わります。契約・購入前に各金融機関、財務省、日本銀行などの最新情報を確認し、必要に応じて税理士・FPなどの専門家へご相談ください。
